· 

腎臓病

尿道結石症

尿路系は腎臓から始まり、腎臓から膀胱へとつながる尿管、膀胱から排泄行へとつながる尿道があります。
膀胱の中に尿が蓄積されてその尿が溜まった時に尿意が発生し、排せつが行われます。
尿の中に、結石と呼ばれるものが発生することがあり、尿のpHがアルカリ性、つまりpHが8を超えると、ストラバイト(リン酸マグネシウムアンモニウム;NH4MgPO4・6H2O)は中性からアルカリ性では解けないので、尿の中に結晶が発生し、固形物として存在してしまいます。ただこの結晶は酸性、つまりpH6.5以下の状態では溶けるので、食事の管理により溶かしてしまうことができます。しかし、結晶ができつつあるのをそのまま放置することで、その結晶はどんどんと大きくなり、ついには尿道を通過することができなくなったりすることがあり、さらに尿道の中で大きさが少し増すことで、尿道閉そくが起きてしまいます。

オスは尿道の口径がメスよりも狭いために、その結晶が石状の結石になってしまうとおしっこが出なくなり、猫はトイレに何度も行くのですがおしっこが出せず、膀胱が限界まで大きくなってしまい、ついには腎臓が作った尿を送り出せなくなることで、急性腎不全になったり、尿毒症という、血液中のアンモニア濃度が高い状態となってしまい、時間が経つと腎臓の機能が戻ることのない状態にまで悪化してしまい、寿命を大幅に短くしてしまいます。
ストラバイト性の結石は早期発見で食事の変更やサプリメントなどで尿の酸性化ができれば、溶かしてしまうことができますから、定期的に猫の尿量のチェックを行い、尿量の変化から異変に気付いてあげてください。また、pH試験紙というものが手に入りますから、それで尿のpHを調べてあげることでストラバイト結晶の可能性を知ることができます。